フォレスター ▲「新オフセット前面衝突」の実験でフロント部分が大破したスバル フォレスター(6代目)だが、キャビンには十分な生存空間が残されていて、ドアも普通に開く

自動車アセスメントで見事「ファイブスター大賞」を受賞

国土交通省と独立行政法人 自動車事故対策機構(NASVA)が行っている、自動車の安全性能を比較評価する自動車アセスメント「JNCAP2025」において、6代目スバル フォレスターが2025年度の総合評価で最高得点を獲得した。

JNCAPとは、ユーザーがより安全な自動車を選ぶことができるよう、国土交通省およびNASVAが自動車の安全性能を客観的に評価し、公表するというもの。

各車における「予防安全性能」と「衝突安全性能」「事故自動緊急通報」の3項目をそれぞれ評価し、総得点を算出。最高評価である5★(ファイブスター)を獲得した車両には「ファイブスター賞」が与えられ、5★を獲得した車両の中でも最高得点を獲得した車両には「ファイブスター大賞」が贈られる。

そしてこのたび、現行型スバル フォレスターが見事「ファイブスター大賞」を獲得したということだ。
 

フォレスター▲こちらが2025年4月に登場した現行型スバル フォレスター
 

予防安全と衝突安全などのすべてで最高評価を獲得

評価の詳細を見てみると、6代目となる現行型フォレスターはまず「予防安全性能評価」において、すべての評価項目がレベル5(最高レベル)であると認定。

そして続く「衝突安全性能評価」においても、実車を衝突させる衝突実験の結果、7つの試験項目すべてがレベル5であると認定された。さらに「事故自動緊急通報装置」の項目においても、「先進型を搭載している」ということで8点(満点)を獲得。

その結果、フォレスターは「総得点193.8点中、184.6点」という非常に高い得点を獲得し、JNCAP2025で審査された車両の中で唯一「ファイブスター賞」を獲得。そして唯一のファイブスター賞であったため、自動的に「ファイブスター大賞」を受賞することになった次第だ。
 

フォレスター▲独立行政法人 自動車事故対策機構のプレスリリースより
 

相対速度100km/hの正面衝突でもキャビン内はおおむね無傷!

JNCAPの「衝突安全性能評価」では、実車を用いて「前面衝突」と「側面衝突」「後面衝突」の実験を行い、下記の9項目についてそれぞれ5段階評価を行う。
 

「衝突安全性能評価」の項目

・フルラップ前面衝突(運転席)
・フルラップ前面衝突(後席)
・新オフセット前面衝突
・側面衝突(運転席)
・後面衝突頚部保護(運転席)
・後面衝突頚部保護(助手席)
・歩行者保護(頭部)
・歩行者保護(脚部)
・シートベルト着用警報
 

すさまじい衝撃の衝突実験

これら7項目すべてでフォレスターは「レベル5(最高レベル)」と評価されたわけだが、実は先日、スバル群馬製作所内にある「Car to Car衝突実験場」にて、JNCAP2025で行われた「新オフセット前面衝突」とまったく同様の衝突実験が行われた。

そして幸運にもその模様を見学することができた筆者の感想は、「なるほど確かにこれは“ファイブスター”だ。そしてもちろん断言も過信もできないが、現行型フォレスターに乗っていれば、衝突事故で死亡してしまうリスクは確実に低減できるのではないか?」というものだった。
 

フォレスター▲2026年5月19日、スバル群馬製作所内でJNCAPの「新オフセット前面衝突」と同様の試験があらためて行われ、一部の報道陣にその模様がリアルタイムで公開された

当日の実験では、筆者から見て左側からフォレスターが時速50kmで進入し、右側からはJNCAPで使われているものとまったく同一の専用台車が同じく50km/hで進入。そして実験場の中央付近でオフセット正面衝突を発生させた。つまり相対速度100km/hでの正面衝突事故を再現したわけだ。

相対速度100km/hでの正面衝突(オフセット前面衝突)ともなると、両者がぶつかった瞬間の轟音はさすがにすさまじく、無人での実験とわかっていても恐怖を感じる。そして実験車両であるフォレスターのフロント部分は激しく大破し、破損した部品が周辺へ盛大にまき散らされる。
 

フォレスター▲現行型スバル フォレスターと試験用台車が、相対速度100km/hでオフセット前面衝突した瞬間
 

がしかし――大破したフォレスターに近づいてみると、確かにフロント部分の右側(オフセット前面衝突が発生した箇所)を中心に激しくぶち壊れてはいるものの、キャビン内は思いのほか無傷で、「エンジンやトランスミッションが衝突により車内へ飛び出し、乗員の脚部を激しく損傷させる」みたいなことにもなっていない。

そしてさらに驚いたのが、あれだけの派手な前面衝突が起きた後でも「運転席のドアは普通に開く」ということだった。もちろん完全に普通に開くわけではないが、人間が普通に出入りできるぐらいの角度では、スッと普通に開くのだ。これであれば、「車内に閉じ込められた結果……」みたいなことにはならないだろう。
 

フォレスター▲オフセット前面衝突により、フロント部分はさすがに激しく損傷している
フォレスター▲にもかかわらず、ドアは写真上ぐらいの角度までは普通に開けることができた
フォレスター▲前席の乗員を模した人体模型の足下空間も問題なし
フォレスター▲こちらはJNCAP2025の「フルラップ前面衝突」試験でまさに使用された現行型フォレスター。この実験でも「フロント部分が絶妙な具合にクラッシュし、キャビンはおおむね無事」という結果になっている
 
 

衝突安全性は、スバルがこだわっている「総合安全」の一部でしかない

乗員以外のことも考え設計

激しい衝突に対して自車の乗員を保護し、生存空間を確保するだけでなく、衝突相手車への加害性も低減させるためには、ただただボディやフレームなどの強度を上げればOKというものではない。

相手車両をしっかり受け止める部分と、衝撃を吸収する部分、そしてあえてクラッシュさせる部分と守る部分などを、綿密な計算と検証に基づいて設計しない限り、「衝突安全性が高い車」にはならないわけだ。

で、そんな衝突実験の結果を見ながら「やっぱりスバル車はすごいなぁ……」などとのんきに感じていた筆者だったが、実は取材当日のプレゼン内容は、オフセット前面衝突に関するものだけではなかった。
 

衝突しないことも目指されている

派手でわかりやすい衝突実験のこと以上にスバルの技術者たちが力説していたのが、現行型フォレスターの「総合安全性能」についてだった。

長くなるのでかいつまんで申し上げるが、「不幸にも衝突事故が発生してしまった場合の安全性がきわめて高いのは当然として、抜群といえるほどの視界の良さや、シンメトリカルAWDを中心とするパッケージングの良さ、そして動的性能の良さとアイサイトにより、スバル車ならびに現行型フォレスターは『そもそも衝突事故が発生しないこと』を目指しているのです」というのが、スバルのエンジニアたちが当日、言っていたことの要旨だ。

確かにそれは、現行型フォレスターではないが、現行型レヴォーグというスバル車をほぼ毎日運転している筆者としても、大いにふに落ちる部分である。
 

フォレスター▲衝突実験のデモンストレーションは確かに派手でわかりやすいが、この日、スバルが報道陣へ本当に伝えたかったのは“そこ”ではなかったように思う
 

中古車状況:価格の下落幅はさほど大きくないが、流通量は確実に増加中

そんな現行型スバル フォレスターは今、2025年4月のデビューから1年以上が経過したことで、中古車の流通量もまずまず豊富になってきた。

具体的には2026年6月下旬現在、約110台の中古車が平均価格約480万円にて流通している。385万~464.2万円という新車価格から考えると、もうひと声安価であってほしいというのが正直なところだが、総額430万円前後で狙える物件も多く、まあまあ長い納期を必要とする新車と違って「ほぼ即納である」という点からも、現行型フォレスターの中古車に注目してみる価値は大いにある。

そして衝突安全性能と総合安全性能というのは、中古車になったからといって低下するものではない。ましてや、せいぜい1年落ち程度の中古車であれば「安全性に関しては新車とほぼ同じ」と断言できる。その意味でも、「中古の現行型フォレスター」にはぜひ注目してみるべきなのだ。
 

フォレスター▲写真は現行型フォレスターに採用されているサイクリスト対応歩行者保護エアバッグ。事故発生時、サイクリストの頭部が車両に衝突する場合も多いAピラーの上部まで、エアバッグがカバーする
 

「ファイブスター大賞」を獲得したフォレスター(6代目)の中古車を買うなら

ここからは中古車として流通しているフォレスターのオススメの選び方を紹介しよう。
 

中古車のオススメ①:予算重視またはスポーツ性重視なら「1.8 スポーツ EX 4WD」

「現行型スバル フォレスターをなるべく手頃な予算で手に入れたい」または「なるべくスポーティに走れる現行型フォレスターが欲しい」という人は、1.8Lガソリンターボエンジンを搭載する「スポーツ」系の各種グレードがオススメ。

スポーツ系であれば、ストロングハイブリッドであるS:HEV系の中古車と比べてざっくり50万円ほど安価である場合が多く、また、下手なスポーツカー以上に(?)スポーティな走りを堪能できるからだ。
 

フォレスター▲最高出力177ps/最大トルク300N・mの1.8L水平対向4気筒ガソリンターボエンジンを搭載する1.8 スポーツ EX 4WD
フォレスター▲ブラウンステッチやブロンズ加飾が特徴となる1.8 スポーツ EX 4WDのインテリア

スポーツ系の中では、アイサイトXが付いていない「1.8 スポーツ 4WD」が最も安価だが、こちらは中古車の流通量がきわめて少ないのがネック。

そのため実際はアイサイトX付きとなる「1.8 スポーツ EX 4WD」と、その内外装をブラックやダークグレーのダークトーンでコーディネートした特別仕様車「1.8 スポーツ EX ブラックセレクション 4WD」が、スポーツ系を狙う場合のターゲットになる。

両グレードの直近の中古車価格はおおむね下記のとおりだ。

●1.8 スポーツ EX 4WD
・価格帯:総額420万~470万円
・注目ゾーン:総額450万円前後

●1.8 スポーツ EX ブラックセレクション 4WD
・価格帯:総額460万~480万円
・注目ゾーン:総額470万円前後

中古車として好バランスと思える物件が集中している価格帯を、いちおうの「注目ゾーン」として挙げた。だが、現行型フォレスターの中古車はいずれも低走行物件ばかりであるため、筆者が示した価格帯以下の物件を狙ったとしても、特に問題はない。

また、逆に筆者が示した注目価格帯以上であれば、メーカーオプションだった「ハーマンカードンサウンドシステム」が装着されている個体も見つかるだろう。人それぞれのお財布事情と価値観に基づき、ご自身にとってのベストを探していただきたい。
 

▼検索条件

スバル フォレスター(6代目) × 「スポーツ」系グレード

中古車のオススメ②:燃費重視または上質感重視ならストロングハイブリッド系

「多少値が張っても構わないので、燃費性能に優れる現行型フォレスターが欲しい」あるいは「落ち着いたニュアンスの上質なクルージング性能を堪能したい」と考えるのであれば、1.8Lガソリンターボではなく、2.5Lストロングハイブリッドの「S:HEV」系がオススメとなる。

こちらもアイサイトXが付いていないグレード(グレード名に「EX」と入っていないグレード)が最も安価ではあるが、その中古車は希少。そのため結局は、オフロード風味を強調した「2.5 エックスブレイク S:HEV EX 4WD」か、あるいは最上級グレードである「2.5 プレミアム S:HEV EX 4WD」の二択になる。
 

フォレスター▲最高出力160ps/最大トルク209N・mの2.5L水平対向エンジンに、同119.6ps/同270N・mのモーターを組み合わせる「2.5 プレミアム S:HEV EX 4WD」。ホイール径は19インチ
フォレスター▲上記と同じストロングハイブリッドを搭載する「2.5 エックスブレイク S:HEV EX 4WD」。ホイールは18インチのダークメタリック塗装で、汚れに強い撥水性ポリウレタン/合成皮革シートなどを採用している

この2グレードは、装備“内容”の違いこそあるが、装備“レベル”の差はほとんどないため、人それぞれの好みで選べばそれでOK。すなわち「上質な雰囲気」みたいなモノを好むのであれば2.5 プレミアム S:HEV EX 4WDがオススメであり、「アクティブなアウトドアライフ(またはそのイメージ)」を追求したいのであれば、選ぶべきは2.5 エックスブレイク S:HEV EX 4WDだ。

両グレードの直近の中古車価格は、おおむね下記のとおりである。

●2.5 エックスブレイク S:HEV EX 4WD
・価格帯:総額450万~490万円
・注目ゾーン:総額480万円前後

●2.5 プレミアム S:HEV EX 4WD
・価格帯:総額470万~560万円
・注目ゾーン:総額500万円前後

2.5 プレミアム S:HEV EX 4WDの方は流通量豊富であるため、筆者が示した「注目ゾーン」をいちおうの参考としつつ、ご自身の好みや予算感に合う1台を探し出すだけで事足りる。

だが、2.5 エックスブレイク S:HEV EX 4WDの方は若干希少であるため、「好みのボディカラー」などは見つけづらいかもしれない。とはいえ難点といえるのはそれぐらいで、こちらも今のところ超低走行物件ばかりであるため、メカ部分に関して神経質になる必要はほとんどないだろう。
 

▼検索条件

スバル フォレスター(6代目) × 「S:HEV」系グレード

▼検索条件

スバル フォレスター(6代目)
文/伊達軍曹 写真/SUBARU、伊達軍曹
※記事内の情報は2026年6月20日現在のものです。
伊達軍曹

自動車ライター

伊達軍曹

外資系消費財メーカー勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2005年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル レヴォーグ STIスポーツR EX Black Interior Selection。

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